平田 光彦

平田 光彦 准教授
ひらた みつひこ

書を専門としていますが、芸術全般、特に視覚芸術に興味があります。
書については、書学書道史、書写書道教育、実作の研究をおこなっています。実作では、漢字、仮名、漢字仮名交じり、和様など、幅広く書作や指導にあたっています。近年は、大字・小字の仮名書作に注力しています。
これまで公立高校の教諭として長く現場にいました。また国立大学教育学部で教員養成にも長く従事してきました。本学では、高等学校一種の書道教員免許も取得可能ですので、教職にまつわる経験を生かして教員志望の学生さんもサポートしたいと思います。
関心のある方は一緒に勉強しましょう。

平田ゼミブログ

連絡先mhirata★mukogawa-u.ac.jp
(注)★を@に変えてお送りください。
担当教科書道Ⅰ〜Ⅳ,書道科指導法Ⅰ〜Ⅱ,演習Ⅰ〜Ⅱ,初期演習Ⅰ〜Ⅱ
専門領域人文学(芸術学,書道),社会科学(教育学)
所属学会全国大学書写書道教育学会(理事、企画広報局本部委員),
書学書道史学会,大学書道学会,
日本デザイン学会,
意匠学会,官能評価学会,
公益社団法人 日展(会友),
読売書法会(理事),
公益社団法人 日本書芸院(評議員),
全日本書写書道教育研究会(副会長:2018年3月まで)
経歴・1996年3月 京都教育大学卒業
・1996年4月〜2009年3月 京都府立高等学校 教諭(東舞鶴高等学校,亀岡高等学校)
・2009年4月〜2018年3月 国立大学法人 岩手大学 准教授
・2018年4月〜 武庫川女子大学 准教授
この間,兼業として,
国立大学法人 奈良教育大学(2015年10月〜2020年3月),
国立大学法人 弘前大学(2016年4月〜),
京都産業大学(2023年4月〜),
等に非常勤講師として出講
主な業績

【著書】
・『書の古典と理論 改訂版』全国大学書道学会編,光村図書,2020.共著(分担執筆).
・『国語科書写の理論と実践』全国大学書写書道教育学会編,萱原書房,2020.共著(分担執筆).

【論文】
・散らし書きの構図論,日本研究,第64集,2022
・右払いやはねから感受される視覚的効果,書写書道教育研究,第31巻,2017.
・王朝仮名古筆にあらわれた美の諸相,岩手大学教育学部研究年報,第75巻,2016.
・楷書の点画構成における“はね”を有する画の美的印象,デザイン学研究,第61巻4号,2014.
・書の展示と鑑賞に関する研究2 -展示要素とスペース・シンタックス理論による空間分析-,月刊書道専門誌 書の美,第144号,2014.
・文字の下部における縦画の美的強調,日本官能評価学会誌,第17巻2号,2013.
・平泉文字資料の筆跡,平泉出土文字資料検討会中間報告発表要旨,2012.
 ほか

【受賞等】
・武庫川女子大学授業改善奨励制度 学長表彰(2022)
・岩手大学 優秀教員表彰(2015)
・日展 入選(2006,2008,20112020)
・日本書芸院展 史邑賞(2013,2014)
・日本書芸院展 魁星作家オーディション 選抜(2014)
・読売書法展 読売新聞社賞(2005)

担当する授業の内容・魅力

僕が研究しているのは、例えば仮名の散らし書きの構図について。散らし書きとは平安時代に生起した仮名文字のレイアウトのことで、所謂、日本的な「間(ま)」を生かした空間表現が特徴です。この空間構成を紐解くのに、美術の構図論や視覚心理学、中世の芸術論など様々な切り口で迫ることができます。
書は、日本語学、漢文、和歌などの言語表現、美術や音楽などの芸術表現、国語や芸術教育とも関わります。研究や表現、教育にあたって様々な領域の視点を生かすことができて非常に面白い分野です。
制作研究にあたって、身体感覚や美的感覚を磨くこと、日本の美や文化に触れられることも書の魅力です。

研究の魅力

「書道Ⅰ・Ⅱ」では、楷書・行書・草書・篆書・隷書・仮名の各書体の基本的な古典を学びます。
「書道Ⅲ・Ⅳ」では、仮名の専門的な学習をおこない、半切表現や散らし書きの構成なども学びます。
文字の歴史や文化について、文字造形の特徴や紙や装丁の製法など、書美にまつわる様々な視点から実技による体験を通した知識を習得します。
「書道科指導法Ⅰ・Ⅱ」では、公立高等学校芸術科教諭としての現場経験や国立大学教育学部で教員養成に従事してきた経験を元に、スモールステップとグループワークを活用しながら授業作りを丁寧に学びます。
「演習Ⅰ・Ⅱ」では、卒業制作展に向けて、各自の個性を生かした作品作りを学習します。

紹介したい一冊李禹煥(1998)『李禹煥 全版画 1970-1998』,中央公論美術出版.

静かに冴えた空間と造形の響きが感性と理知を刺激します。センスと思索が磨かれる一冊。