教員の紹介

三品 理絵 [みしな りえ] 准教授

三品 理絵 准教授
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rmo★mukogawa-u.ac.jp
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ゼミブログ
三品ゼミブログ
ゼミ紹介記事

~わたしたちのことばが、わたしたちのことばとしていまここでつかわれているのには、どのような経緯があるのか。わたしたちの思考(考え方・価値基準)がわたしたちの思考として今ここにあるのはどういう経緯をたどったのか。~
 
 文学を学ぶことで一番身につくことは、自分の知らない世界や自分の知らない時代や考え方を、作品を読むことで知ることです。
 皆さんには、自分の中に伝えたい何かがあるでしょうか。ある、という人もいるでしょうし、ちょっと考えただけでは何も思いつけない、という人もいるかと思います。そのとき、ある、と思った人は、何を伝えたいか、ということだけでなく、なぜ、自分はそういうことを考えるようになったのか、なぜそれを伝えたいと思うのかということも、考えてみてほしいと思います。また、何も思いつけなかった、という人にも、なぜ自分は思いつけないのだろうか、そもそも自分は毎日何をして、何を見、何を感じたり考えたりしてすごしているのだろうか、といったことを、ちょっと振り返って考えてみてほしいのです。
 皆さんには、皆さんの生きているそれぞれの環境があります。皆さんが育ってきた場所・時代・人間関係、その他もろもろ。それらが複雑に折り重なって皆さん一人ひとりを――皆さんの性格や、価値基準や、好き嫌いや、そういうものを――形作っているわけです。文学作品を読むと、そこには、そういう皆さんの生きている環境とまったく違う、あるいは少しだけ似通っている、そんな世界が描かれています。それを読んで皆さんはあるいは共感しあるいは反発する。または言葉の難しさや構成の複雑さに投げ出したくなることもあるかもしれません。それでも、さらに読み進めていきます。なぜこんな考え方をするのか。なぜこんな感じ方をするのか。なぜこんな言葉の使い方をし、なぜこんな複雑な構成にしてあるのか。そうした疑問を抱きながら、その答えを探すようなつもりで、じっくり作品に向き合ってほしい。それを通じて、今まで自分が知らなかった言葉や、考え方や、表現の仕方を知ってほしいのです。
 表面をなぞるだけではわからない、複雑な心理や、それを表す言語表現の巧みさを味わい、知ること。こんな考え方やこんな感じ方があるのか。こんな表現の仕方があるのか。それらを知って視野を広げることで、振り返って自分自身は、なぜこんな感じ方をするのか、なぜこういう考え方をするのか、できればそこまで考えてみてほしいと思います。そのようにして、自分自身についても考えをめぐらす契機が生まれる。文学を学ぶ醍醐味のひとつはまさにそこにあると、わたしは思うのです。

担当教科 大日関係では、専門演習(ゼミ)のほか、春学期は表現学と日本近代文学概論、秋学期は日本近代文学史と児童文学概論を担当します。短日関係では、日本語ライティングⅠ、Ⅱと卒業研究を担当しています。
専門領域 日本近代文学
所属学会 日本近代文学会、日本文学協会、日本比較文学会、泉鏡花研究会、阪神近代文学研究会、坂口安吾研究会
経歴 兵庫県神戸市生まれ。明石市で育つ。神戸大学大学院博士課程単位取得満期退学。文学博士。神戸大学助手を経て皇学館大学准教授、2015年春より武庫川女子大学准教授。現在は姫路市在住。
主な業績 単著『草叢の迷宮 泉鏡花の文様的想像力』(ナカニシヤ出版、平26)のほか、共著に『朝日新聞連載小説の二十年』(朝日新聞社『知恵蔵2000』別冊付録、平12)、『昭和期の泉鏡花』(和泉書院、平14)、『日本文化の連続性と非連続性』(勉誠出版、平17)、『丹羽文雄と田村泰次郎』(学術出版会、平18)など。