佐藤 勝之

佐藤 勝之 教授
さとう かつゆき

もともと英語(特に英語学English Linguistics)を勉強していました。これを基に、日本語と英語(その他、フランス語や中国語など分かる範囲で)の対照の視点から、日本語・英語・言語一般の音韻・語彙・文法・意味・表記・コンテクストおよび翻訳の諸問題を考えています。
 また、ハリデー(M.A.K. Halliday)の主唱する選択体系機能言語学(Systemic Functional Linguistics)の日本での普及に努めています。詳しくは「日本機能言語学会(JASFL)」のホームページをご覧ください。

佐藤ゼミブログ

連絡先satokats★mukogawa-u.ac.jp
(注)★を@に変えてお送りください。
担当教科英語で読む日本、言語学、文字・表記論、談話研究
専門領域英語学、言語学(機能言語学、テクスト分析)
所属学会日本機能言語学会(学会誌編集委員)
経歴1984年 立教大学文学部英米文学科卒業。
1987年 立教大学大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。
1989年 法政大学大学院人文科学研究科英文学専攻博士後期課程中退。
1989年~ 武庫川女子大学専任教員。
主な業績

著書(共著)
・龍城正明(編)『ことばは生きている-選択体系機能言語学序説-』くろしお出版 2006.
・Kundoku-bun: A hybrid genre in Japanese literature. In Elizabeth A. Thomson, et al. (eds.) Mapping Genres, Mapping Culture: Japanese texts in context, 169-189. Amsterdam: John Benjamins. 2017.

論文
・Condensation and Transformation of Information in Text,『人文学会論叢』XV, 1-18, 1994.
・「談話の展開における『観念構成的結束性』と書記テクストの分類」, JASFL Occasional Papers Vol.1, No.1, 91-101, 1998.
・「『意味としてのテクスト』 の諸相―選択体系理論の観点から―」(1)/(2)/(3)、『武庫川国文』60/61/62、2002/2003a/2003b.
・Constructions of Figures, JASFL Occasional Papers Vol.3, No.1, 93-104, 2004.
・「文言テクストの2つの解釈―『漢文訓読』とプリンストン大学『古典中国語』―」,Proceedings of JASFL, Vol. 3, 1-14, 2009.

担当する授業の内容・魅力

 「言語学」は、ことばというものがどのような仕組みを持ち、どのように働いているのかを、一から考えていきます。物理学や化学が、物質がどんなものから成り立ち、作用しあっているのか探究したり、医学が、人間の身体の仕組みと働きを調べたりするのに似ているので、ちょっと抽象的な話で専門用語も登場します。けれども、ことばの根本が分かると、「あれはそういうことなんだ」という気づきが増えて、世界が大きく広がります。
 日本語は一般に言われるほど“変わった”言語ではありませんが、表記のしかたはおそらく世界一複雑です。「文字・表記論」はそんな日本語の最大の特徴を、(漢字を含む)古代の文字や現代のピクトグラムを見ながら考えていきます。

研究の魅力

 英語という言語の仕組みと働き、そして英語圏の人々の考え方やふるまい方を知ったうえで、改めて日本語や日本語を母語とする人々(日本語母語話者)の思考や行動を見てみると、これらの類似点・相違点がよく分かるようになります。
 とりわけ、日本語母語話者が長い年月をかけて、中国大陸の異言語・異文化、さらには近代の西洋語・西洋文化をどのように受容しながら自分たちのものにしてきたかを知ると、一大歴史絵巻を見ているように思えます。
 また、英語は今日、「インターナショナルなコミュニケーションの手段」ですが、同時に日本語と同様の歴史と文化を背景に持っていることに、改めて気づかされます。

紹介したい一冊藤堂明保・加納喜光(編)『学研 新漢和大字典』学研教育出版(2005)の巻末にある解説「中国の文字とことば」

漢字の本質的な特徴をコンパクトに説明してくれる、とても有益な文章です。漢字というものに興味があれば、ぜひ一読をお勧めします。