水野敬也(作)・鉄拳(画)『それでも僕は夢を見る』

みなさんは、夢を持っていますか?

もし世界中の人が持っている夢を形にすることができるなら、大小様々な色をした夢でいっぱいになることでしょう。そして、中にはこの本のように人型で、ずっと私たちに寄り添ってくれている「夢」もあるのかもしれません。

みなさんは、そんな「夢」とどう向き合って生きますか?自分の理想を追い求め、夢の実現に向けて努力するのは、きっと素晴らしいことに違いありません。

しかし、「夢」に裏切られ続けたとき、どう思いますか?

第一志望の学校には受からなかった、好きになった人には振り向いてもらえなかった、やりたい仕事に就くことはできなかった――
色んな失敗や挫折を繰り返し、いくら努力を重ねても結果が出ない……そんな閉塞感の漂う毎日を送る中で、「夢」を捨ててしまいそうになったことはありませんか?

ここで「夢」を捨てた「僕」には、どの人間にも当てはまる部分があるのではないかと思います。

この本は、文章と絵で構成されており、大人が読む絵本のような感覚で読み進めることができます。ページを繰る度に「僕」が老人となっていく様を、同時に自分の人生を早送りで見ているような気持ちになります。「夢」を捨て、人に期待せず、ひとり年老いた「僕」が、共に年老いた「夢」と再会するのは、余命3日と宣告された病院のベッドの上です。

最後に……最後に一言だけ言わせてほしい。夢は、かなうんだよ。

若かったあの頃のように、「夢」にまた励まされ、背中を押された「僕」が叶えたい夢とは、何でしょうか。

はじめまして あなたへ

あて名のない手紙を受け取ったとき、言葉にならない気持ちで心が満たされ、いつもの景色がきらきらと輝いて見えるのではないでしょうか。

書誌情報

『それでも僕は夢を見る』水野敬也(作)・鉄拳(画)/2014年3月・文響社

(M1 Y.A)

2014/07/20