「研究がしたい」の先にあったもの

私は現在、博士後期課程三年に在籍しています。博士後期課程は、学部を卒業して、修士課程を修了した後に進むことができる、最後の課程です。

私はもともと、武庫川とは違う大学で、学部と修士時代を過ごしました。当時から、「人間失格」で知られる太宰治を研究対象としてきましたが、女性が語る形式を持つ「女性語り」とよばれる太宰の作品群をその対象としたのは、武庫川に入学してからのことです。

多くの研究者がしのぎを削る研究の場では、常に厳しい独創性が求められます。だからこそ、学部・修士時代の指導教官には、女性であることを生かしたテーマも選択肢の一つだと助言していただきました。しかし、男女という視点を通さずに人を捉えたいと考えていた当時の私は、この視点に全く興味が湧きませんでした。

今思えば、自分自身に向き合う勇気がなかっただけなのかもしれません。そんな私が、武庫川女子大学大学院という多くの女性が活躍される研究環境、魅力的な先生方、院生の仲間に出会えたことで、「斜陽」に代表される「女性語り」に興味を持つようになったのです。悩みながらも、自力で道を切り開こうとする女性たちの強さに心ひかれ、追究したいと考えるようになりました。

大学院では、発表準備や論文執筆に時間を割きます。そこでは常に自分の生き方が問われるため、悩みも尽きません。ですが、「研究がしたい。」という思いだけで突き進んだ先には、大切な人たちとの出会いと、新しい自分がいたと、声を大にして言うことができます。

(D3 K・Y)

2014/07/20