研究について

「対話」は向かい合うのに対し、「共話」は寄り添うという姿勢を取ります。「共話」は、「ひとつの発話を必ずしもひとりの話し手が完結させるのでなく、話し手と聞き手の二人で作っていくという考え方にもとづいた形である」と水谷信子氏は説明しています。これは、水谷の造語であり、頻繁なあいづちの使用や終助詞「ね」がその特徴として表されています。

卒業論文研究では、筆者は家族の会話を録音して文字化し、分析することを通して、家族内では「共話」的な話し方が現れることを確認しました。全部言わなくても分かってくれる相手がいることは、“ぬくぬくとこたつでくつろぐようなコミュニケーション”(水谷による)を可能にしていました。家族のコミュニケーションは主にこうした共話的やりとりによって成立しているのだと考えました。

日本語教育の教材では、特に文型導入を中心にした初級では「対話」的な会話文の提示がされています。しかし、日本語の会話能力を伸ばすためには、水谷のいう「共話」という話し方の習得が必要であると思われます。上田先生のゼミでは、外国人の日本語学習者との交流の機会が多く持てるので、それを考える環境が整っていますよ。初級の入門からそれを学ぶというのは難しいかもしれませんが、今後どこかの段階から取り入れることが可能か、修士論文研究で検討し提案したいです。

(M1 I・M)

2014/07/20