文学と旅行 ――こおろぎ橋――

「漁火に かじかや波の 下むせび

松尾芭蕉のこの句をご存知でしょうか?
石川県加賀市山中温泉の大聖寺川にかかる橋である『こおろぎ橋』で詠まれたものです。
このこおろぎ橋は元禄時代からあったといわれ、石川県の山中温泉のシンボル的存在とされています。橋の名前の由来は、行路がきわめて危なかったので、「行路危(こうろぎ)」と称されたとも、秋の夜長に鳴くこおろぎの鳴き声に由来するともいわれています。
私は昨年の夏にこの場所を訪れたのですが、渓谷に突如現れたこの橋とその隣の石碑を見たとき、ああこの地であの芭蕉が句を詠んだのだなあと感動を覚えました。
私自身元々旅行が好きで、最近では青森、香川、福井などを訪れましたが、このように日本全国旅行する中で、文学作品関連のものに触れることは多々あります。
大学院では様々な分野の講義を受けたり、自分の専門とは全く異なる研究をしている院生も沢山いるので、その方たちから多種多様な専門分野に関する話も聞くことができます。そのため、学部にいた頃よりたくさんの文学作品をより身近に感じられるようになりました。自分の研究分野だけではなく、こうして多様な作品に触れる機会があると、勉学だけではなくて日常生活においてもこれまでにない新たな発見と感動があります。院に進学することで、日常に潤いが出るのはとても素敵なことですね。

(M2 A・K)

2014/07/20