2015.02.19

寺島ゼミについて

maru 研究室だより tag 寺島ゼミ

説話を読みながら考える

『今昔物語集』は十二世紀初頭に成立した説話集です。舞台を三国(天竺・震旦・本朝)のすべてに取り、あらゆる階層の人物、仏や天狗、異類などが登場して、その収録話数は千話を超えます。漢籍、仏典、国書に広く出典を求めて収録された説話は、時代とジャンルを超えて様々な文学作品と関わる面を持っています。授業では具体的に一話一話を取り上げて、『今昔物語集』の性質を考えていきます。が、ゼミの目的は『今昔物語集』の研究をすること自体では必ずしもありません。もちろん研究するのですが、実は対象は何でもよいのです。学生は、問題を発見し、論理的な思考と着実な調査を経て、問題の解決を図らねばなりません。その過程を通じて問題を発見し解決してゆく一連の技術を体得することこそがゼミの目的なのです。

ゼミの発表資料を作成するため、分厚い本を何冊も積み上げ図書館を何度も移動したとき、あぁ文学部に入ったのだな、と強く思いました。寺島修一教授という素敵な先生の下、現在、平安時代に成立したとされる今昔物語集という説話集を読み進めています。発表では自分の好きな説話を選び、その説話について考えを深めていきます。発表をするときだけでなく、聞くときも真摯な態度で向き合える参加型のゼミです。根気のいる作業ですが、古典が好きだという方は是非、寺島ゼミへ!

(三年 土居 美琴)