ゼミブログ / 三品ゼミ

三品ゼミについて

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ゼミでは、担当者の専門としている作家が泉鏡花(いずみ きょうか)という日本近代幻想文学の大家、ということもあって、オーソドックスな名作ももちろん読みますが、幻想的で、怪奇性や耽美性の強いものなど、少し変った味わいのある作品も多く取り上げます。また、鏡花の活動時期が明治・大正・昭和に渡っているので、ゼミでも、明治から昭和までの広い時代の作品が対象となります。たとえば、現在の三年生のゼミで春学期に読んだ作品のラインナップは、泉鏡花、田山花袋、国木田独歩、谷崎潤一郎、江戸川乱歩、岡本かの子、夢野久作など(漱石、鴎外、芥川、川端、太宰といった人々は秋に登場予定)。キーワードは「都市」と「幻想」です。報告は作品の考察だけでなく、作者や時代背景、先行文献についてなどの調査も課されます。多彩な近代の作家たちの文学的関心、表現へのこだわりや方法、また同時代の社会史、文化史的背景との関係にも目を向けていくなど、幅広い関心を育てて自分の中の抽斗を増やしていって欲しいと思います。

本を読むのが大好きなかた、魅力に溢れた不思議なお話を渉猟する喜びを更に深めたいかた、お待ちしております。
☆オフィスアワー:木曜日5限目
下記にメールを頂ければ上記以外の日程でも調整可能であれば相談に応じます。
Email:rmo★mukogawa-u.ac.jp
(注)★を@に変えてお送りください。

私たち三品ゼミは、日本の近代文学を専門に勉強しています。ゼミの内容は、毎回一人か二人のゼミ生が、ある近代作品について調べ、考察等を発表という形式で述べるというものが主です。その発表の後には、先生やゼミ生との意見交換が行われます。ゼミ生が意見を述べ合う時間は毎回設けられているので、他の人の感想や考察を知ることが出来ます。そこで新しい見解に出会うと非常に刺激を受けるうえ、自身の考えの幅を広げることも出来、貴重な時間となることだろうと思います。

(4年 永橋はるかさん)

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Profile

三品 理絵 准教授

三品 理絵 准教授

~わたしたちのことばが、わたしたちのことばとしていまここでつかわれているのには、どのような経緯があるのか。わたしたちの思考(考え方・価値基準)がわたしたちの思考として今ここにあるのはどういう経緯をたどったのか。~

 文学を学ぶことで一番身につくことは、自分の知らない世界や自分の知らない時代や考え方を、作品を読むことで知ることです。
 皆さんには、自分の中に伝えたい何かがあるでしょうか。ある、という人もいるでしょうし、ちょっと考えただけでは何も思いつけない、という人もいるかと思います。そのとき、ある、と思った人は、何を伝えたいか、ということだけでなく、なぜ、自分はそういうことを考えるようになったのか、なぜそれを伝えたいと思うのかということも、考えてみてほしいと思います。また、何も思いつけなかった、という人にも、なぜ自分は思いつけないのだろうか、そもそも自分は毎日何をして、何を見、何を感じたり考えたりしてすごしているのだろうか、といったことを、ちょっと振り返って考えてみてほしいのです。
 皆さんには、皆さんの生きているそれぞれの環境があります。皆さんが育ってきた場所・時代・人間関係、その他もろもろ。それらが複雑に折り重なって皆さん一人ひとりを――皆さんの性格や、価値基準や、好き嫌いや、そういうものを――形作っているわけです。文学作品を読むと、そこには、そういう皆さんの生きている環境とまったく違う、あるいは少しだけ似通っている、そんな世界が描かれています。それを読んで皆さんはあるいは共感しあるいは反発する。または言葉の難しさや構成の複雑さに投げ出したくなることもあるかもしれません。それでも、さらに読み進めていきます。なぜこんな考え方をするのか。なぜこんな感じ方をするのか。なぜこんな言葉の使い方をし、なぜこんな複雑な構成にしてあるのか。そうした疑問を抱きながら、その答えを探すようなつもりで、じっくり作品に向き合ってほしい。それを通じて、今まで自分が知らなかった言葉や、考え方や、表現の仕方を知ってほしいのです。
 表面をなぞるだけではわからない、複雑な心理や、それを表す言語表現の巧みさを味わい、知ること。こんな考え方やこんな感じ方があるのか。こんな表現の仕方があるのか。それらを知って視野を広げることで、振り返って自分自身は、なぜこんな感じ方をするのか、なぜこういう考え方をするのか、できればそこまで考えてみてほしいと思います。そのようにして、自分自身についても考えをめぐらす契機が生まれる。文学を学ぶ醍醐味のひとつはまさにそこにあると、わたしは思うのです。

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日文Naviでは、 武庫川女子大学 文学部日本語日本文学科、 短期大学部日本語文化学科 に関する情報を発信していきます。