日文コラム / 研究発表会記録

平成28年度修士課程2年研究発表会

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平成28年7月30日(土)11:00~14:00、C-706教室において修士課程二年生の三名による研究発表会を開催しました。以下にその内容を簡単にではありますが、ご紹介いたします。

日時:平成28年7月30日(土)11時~14時    場所:C-706
《発表内容》
・新宮 崇史 『1973年のピンボール』論―「僕」と「鼠」の決裂―
・妹尾 恵理 名器にまつわる伝承―様相の把握―
・中塚 理子 CLD児による日本語教育の問題点

11:05~11:35 新宮 崇史 『1973年のピンボール』論―「僕」と「鼠」の決裂―

新宮さんは村上春樹の『1973年のピンボール』についての論考を重ねてきています。今回のご発表では、これまでの論を哲学的観点からまとめるとともに、「僕」の数々の喪失は直子の死が契機であるとする従来の読みに対して、直子を失う前から「僕」は実際の風景よりも虚構としての風景を強く希求するという傾向を持っていることに着目し、この傾向が直子の死の責任を「僕」に強く感じさせたとみ、結論として、喪失の根源的理由として直子の自殺をあげることは言い過ぎであるという新たな読みを提示しました。

13:00~13:30 妹尾 恵理 名器にまつわる伝承―様相の把握―

妹尾さんは今回のご発表では、修士論文完成に向けて、名器にまつわる伝承について関連する資料の調査結果を報告されました。名器にまつわる伝承は、楽器を主題としているため、説話集などの文学作品だけでなく、楽書にも多く見られます。そこで、妹尾さんは、名器にまつわる伝承の全体像を把握するために、文学作品に限定しない広範囲の作品を調査し、「作品の形態の分類」「名器を総称する見出し語」といった特徴や傾向を考察しました。また、名器の伝承の内容についても「時代」や「名前の別表記、または別名」といったさまざまな観点から語られる話題を分析・分類しました。

13:30~14:00 中塚 理子 CLD児による日本語教育の問題点

中塚さんは、CLD児に対する研究を進めていっています。今回のご発表では、CLD児の内、特にJSL児童生徒(日本語指導を必要とする子どもたち)への、日本語教育の問題点についてご発表されました。

国がJSL指導担当教員を対象に行ってきた教員研修の変遷を見ながら、研修の問題点や教員が陥りやすい「孤立化」の問題、またJSL教員の専門性などについて先行研究をもとに問題をあきらかにし、今後の研究展望や教育の現場を明らかにするためのインタビューを行う予定であることなどについてもご報告がありました。


以上のような内容で、研究発表会は無事終了しました。質疑も活発に行われ、たいへん有意な時間を過ごすことができました。発表者のみなさまおつかれさまでした。
大学院生の人数が少なくなってきてはいますが、その分、和気藹々としたアットホームな良い研究会となり、良かったです。
次回は12月頃に修士課程一年生の研究発表会を開催予定です。ぜひ、みなさまお越しください。

(記事作成:小西)

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